視覚以外を研ぎ澄ます(実体験)

id:diy-hasami:20050624#p1にて。陰翳礼賛を読んだのは、このイベントのためもある。
ちょっと意味合いが違うかもしれないが。

Dialog in the Dark
http://www.dialoginthedark.com/contents/index.html

全く何も見えない暗闇というのは貴重な存在だ。家の電灯をいくら消しても、外の方が明るかったり、押入れの中に閉じこもっても、戸の隙間に光の筋が見えたり。
自分の手も見えない本当の真っ暗闇に小一時間。
草や砂利の道や階段を歩いたり、水やいろんな物を触ったり、飲み物を飲んだりという普段の生活をする。
真っ暗闇に放り出されたら、どうしていいか分からない。ただただ怖くて、へっぴり腰に摺り足でしか進めない。
そこで、暗闇で自由に動ける視覚障害の人に入口から出口まで案内してもらうのだ。
と書くと、なんだか視覚障害者の大変さを体験する会のような、ちょっと偽善チックなニオイもしますが、そういうものとはちょっとちがう。
人の声に導かれ、怖さが薄れてくると、感覚が敏感になるのが分かる。
人の聴覚の方向推定能力がこんなにも優れているとは。普段飲んでるはずのジュースがこんなにも濃厚だとは。空気の流れで人との距離が分かるとは。暗闇で触るものが何もない不安。何かに触る安心感。
いかに視覚に頼って、他の感覚を鈍らせているかを感じた。
で、この試みは世界的なもので、ドイツには常設されているらしい。
日本では、今後、東京でもやるそうです。
行ける人はぜひ。