料理は科学だ

Pen (ペン) 2007年 5/15号 [雑誌]

Pen (ペン) 2007年 5/15号 [雑誌]

料理の「さしすせそ」なるものがあるが、友達(女子らしい女子)に「砂糖と塩だったら砂糖を先に入れるよね?」と言われて、「うん。砂糖の分子の方が大きいからね。」と答えたら「そんなことまで考えへんわ!引くわ!」と言われた。
なぜ砂糖を先に入れるのか、なぜぬか漬けに鉄釘を入れるのか、なぜ青菜には銅がいいのか、昔からそうだからというところで止まらないで、一歩踏み込むと科学の世界である。思い起こせばそのようなことを、理科で「分子」というものを習う前に母はコンコンと解説していた。料理の方法の解説とともに「なぜこうするのか」という薀蓄をひととおり聞かされる。母は科学系の仕事をしていたとかではないが、そういう人だった。母の思惑どおり科学力を生かしてしっかりひとりで食うていける子に育ちました。
なので、孫の顔が見られないからと私を恨まずに自分の育て方を悔やんでいただきたい。