秋田道夫「この10年」

金曜日。いけなかった秋田さんの展示。その晩とまるホテルへはバス1本だった。
よっぱらってホテルに帰って意識遠のきそうになりながらブックマークしてあった秋田さんのインタビュー記事をウトウトしながら眺めた。やっぱりこの人の考えていることを知りたい。本音を言えば、話す言葉を聴いてみたいと強く思った
正直、六本木とかでその日みた「製品」ではなく「作品」と呼ばれる「デザインされたもの」はアートとの境目が素人目には区別がつかないものが多く、個人的に楽しむのにはわくわくしていいのだけど、技術オリエンテッドなうちの職場に何をどう持ち帰ればいいのか、悩みながら見学していた。
私はデザイナーではなく技術者だ。「ものづくり」が「デザイン」ならば技術者とデザイナーに差はないはずだが、デザインなんとかというイベントや集いに飛び込むといつもアウェイの気持ちになる。話をしたいのに「デザインのことなど分からないくせに」と聞いてもらえない感じがしたが、この記事を見て、この人は話を聞いてくれそうだと思った。だから話を聞きたいと思った。
午後からトークイベントがあるようだったが、会社からお金をもらって出張してる以上勝手なことはできない。11時開店、展示の見学のみ、13時六本木、間に合うか?翌朝、一か八か等々力行きのバスに乗った。パチンコ屋のように天童木工開店待ち。開錠されるやいなや入れてもらって入場。
入り口にセキュリティーゲートの写真。公共性の高いもののデザインについて。信号機や端子箱、医療機器など。
やっぱりいつかこの人話を聞きに行こう。そう思った。
天童木工の椅子もひととおり座ってみた。妙齢のご夫婦が購入を検討されていて、椅子に座ってみたりカタログや生地サンプルを見たりされていた。いろんな人生経験をして「やっぱりこれがいいわね」と共有できる関係はいいなぁと思った。
六本木へは全力ダッシュで間に合った。
行ってよかった。