星新一 繁栄の花

小学5年くらいのときに国語の教科書に出てきた話である。
地球人がある星から繁栄の花というきれいな花をもらう。「増やしちゃだめですよ」と言って渡される。地球人はきれいな花を増やしに増やす。ところがこの花枯れないことが分かる。ほかの作物も枯らしてしまう勢いで花は増殖し、深刻な状態に。そこに宇宙人が現れて「ほら、増やしちゃだめって言ったでしょ。花を枯らす方法は1つだけあります、このハチが花を食べてくれます。ただしこのハチはすぐ死にます。定期的に売りに来ますんでよろしく」地球上の花が枯れない程度の量しかハチを売らなければ、その星は儲かり続けるわけです。その宇宙人が最後に言うのが
「私たちが繁栄の花と名付けた意味が御分かりでしょう」

子供心に「へー、そういう商売ってアリなんや」と思いました。
はじめっから商品に欠陥を埋め込んどいて、「なおしてほしい?そしたらメンテ契約結んでくれる?メンテ料はちょっと高いよ」という、どう考えたって悪徳商法。わりと大きい企業でもそういう商売しているところもありますけどね。

この話の場合「増やしちゃダメですよ」という契約に違反したので、お客さん側に非があるわけですが、「そんなもん欠陥あるもの売ったおまえんとこが悪い!」と怒られるに決まっとります。

そんなわけで、ちびっ子のみなさん、そんな商売はまっとうな人間がすることではありませんよ。教育のためにはそんな欠陥商品を作った側が得をするのではなく、某社のようにえらいことになっちゃうよという話にしていただきたいと思います。